私は初めてのバリ島で
ガムランとバリ舞踊にふれた。
ガムランの響きにからだが驚き、震撼した。人が青銅で奏でる音という『渦』の中にからだごと包まれて、その渦はじわじわと体の中と外ひとつにしてしまった。
そうして目に映る踊りは、動物としての人のからだはこんなふうなんだ〜とぼーっとみていた。
ただ、人間のからだってキレイなんだな〜と思った。
私が感じたキレイの感触は、『からだ』そのものに畏敬の念みたいなものだった。
とにかく音の渦とからだが不思議だった。
私はそのとき、バリ島で神秘にふれたんだと思う。
あれから、人間の神秘が私を導いている。
